vol.7

では、お腹いっぱいになったところで・・・

祈って、恋をしての続き・・・

バリ島は「神々の島」と呼ばれており、島民の90%はヒンドゥ-教徒。
人に喜んでもらえることが自分の喜び、温厚で、神様は形あるものではなく、
心の中にあると信じています。

人々の宗教感・人生感の中に、
「世の中は善と悪がバランスよく存在し、禍はこのバランスが崩れる」という考えと、
「輪廻転生」の考えがあります。これらの考えが、火葬式など数々の儀礼の元になっているようです。

毎年2月から3月の満月の夜に、ニュピ(バリ・ヒンドゥー教サカ暦の元旦)という行事があります。
前日には悪霊払いを行います。島民は村ごとに悪霊の人形を作り、
日本のおみこしのように担ぎ街中を練り歩きます。

 Bali08_01

また、浄化された元旦、当日は火や電気を使用せずに静かに過ごします。
前日の夜から翌日の日の出まで家からの外出は禁止され、観光客さえもその慣習に
ならうようにとされています。航空機の離発着もなく、空港は完全閉鎖になります。
世界地図からバリ島が消える日です。

こういった時間は、観光客からすると、時間の無駄のように思われますが、それは全く勘違いで、
このような時間こそ、なかなか日本で体験できませんので。是非バリ島で滞在してください。

過去に2回過ごしていますが、前夜の大賑わいから、ニュピの静けさは、
それはそれは貴重な時間となり、いろいろな事を考える良いチャンスになっています。

バリの各村には必ず3つの異なる寺院があります。
創造神ブラウマを祀るのが「プラ・デサ」と、維持神ヴィシュヌを祀るのが「プラ・プセ」、
また破壊神シヴァを祀るのが「プラ・ダムル」。そして、各家庭にも必ず各お寺があります。
ニ元論の全ての物事は、善と悪、聖と邪、生と死といった形で必ず相反し、
それらがバランスを取って共存してこそ世界が成り立つとされています。

バリヒンドゥーでは元々高い所に神がいるとされており、
バリ島最高峰のアグン山は神々の座であると言われています。
山側は聖なる方向(カジャ)とされ、反対に海側は不浄の方角(クロッド)とされています。
カジャとクロッドにより村や家、寺の配置が決められています。

全ての州や村、建物の入り口には左右対称に出来ている割れ門(チャンディ・ブンタル)があります。
悪霊や邪なる者がこの門をくぐろうとすると、左右の門が閉じ進入出来ないといわれています。

お祈り・寺院に参拝する前には必ず水を浴びて体を清めます。
公共の沐浴(マンディ)は、川や湖など色々な場所があります。

神に祈る際には、捧げ物として必ず供え物が用意されます。
毎朝、道端にも供えられているチャナンに、バナナや椰子の葉っぱを編んだかごの上に、
花と飯や菓子といった物を載せ、聖水・線香と一緒に供えます。

お祈りする際の服装は、神には綺麗な格好でと、
お寺に行く際やお祈りをする時には必ずサロン(腰布)とスレンダン(腰帯)を巻きます。
さらに女性は化粧をして、レースのクバヤを着ます。

また、バリにはバリアンなる呪術師が存在し、人に呪いをかける呪術(ブラックマジック)と
呪いをかけられた人を治す(ホワイトマジック)があります。
バリアンは村でも特別な存在で、バリ人たちは病気になるとバリアンの元へ行く者もいます。

このようなことから、バリ島は神々の島と言われているのです。
すべては、祈りから・・・・

 

続く